ここでは散々、偉そうなことを言っている私ですが、

当然、失敗したなと思ったこともあるわけです。

 

私の近所にキャバクラとスナックが合体したような店があって、

ホステスのレベルも結構高かったので、気に入っている店がありました。

 

最初は、繁華街ばかり行くとどうしても高くついてしまう為、

手ごろな値段の店を探していたんですね。

 

それがどうやら近所にあるようだぞと、

行ってみたら女の子も可愛い娘が結構いたので、

その中の一人を指名していました。

(便宜上、桜ちゃんとします)

 

 

大きい繁華街の店とは違って、

結構しつけもルーズなので、

「酔っ払った~」

とか言いながら肩にもたれかかられることもしばしば・・・。

 

「風邪ひいているんだよね」

と言われたので

「移すなよ~?」

と言ったら、

「移してあげる!」

とキスをするしぐさをしたり、

「私、結構胸あるんだよ!」

と何の前触れもなく、バストを強調したり、

挙句の果てには、

「私、最後までエッチしたことないんだぁ。痛くて入らなかった・・・」

と、向こうからそういう話を振ってくる始末。

 

あ、何かセックスくらいなら出来るかも知れないぞと思っていたのですが、

当時は仕事が忙しくて、アフターに連れ出す時間もなかったんですね。

 

 

そうこうしている内に数ヶ月も経ったある日、

そのお店に行って遊んでいると、私の隣に自分より少し若いくらいの男性が通されました。

 

「あ・・・」

桜ちゃんが、ふと低い声を出したので、

「ん?どうした?」

と聞いてみました。

 

桜「隣の人、私の指名客なんだけど・・・」

私「そうなんだ。行ってきたら?」

桜「ううん、いい。」

私「何で?」

桜「ちょっと、いろいろあってね・・・」

 

ここで地雷の臭いを感じた私は、

「いや、でも誰も着いていないしさ。いずれ着くんだから早い方がいいんじゃない?」

と適当なことを言って、その席にいくように促しました。

 

桜ちゃんがその席に移動したのですが、

20分くらいで戻ってきました。

 

そこで通常通り話をしていたのですが、

10分程して、先ほどの男性の席を見ると誰も着いていません。

 

桜ちゃんに、

「ねえ、あの人のところ誰も着いていないよ?」

と言ったら、

「ホントだ。」

とパタパタ裏へ走っていき、ボーイさんに何か伝えていました。

 

しかし、その後すぐに男性は店を出ていき、

「あ~あ、やっちまったなぁ」

と思ったものです。

 

というより、指名客同士を隣にする時点で店側のミスです。

 

 

その時、思ったのですが、

あの男性は桜ちゃんに本気です。

 

理由は『浮いている』から。

一人客にしては私や、私の仲間のような酒好きのオーラが出ていない。

服装もスーツだったのですが、合っていないんです。

 

う~ん・・・そうですねぇ。

4月の新卒で入ったばかりの人とか、

就職活動中の大学生とかって、

スーツを着慣れていないので、見た目に違和感を感じるじゃないですか。

 

あんな感じだったんです。

季節は冬だったし、新卒って顔をしていなかったので、

恐らくは無理して着た格好だと思うんですよね。

 

座っている時もリラックスしていなかったので、

目当ては完全に桜ちゃんだけなんだろうと思いました。

 

そんな桜ちゃんが隣で私と、はしゃいでいるわけですから、

面白くないのも当然です。

 

と、いうかこの娘危ないぞ?と直感で判断した私は、

微妙に距離を開けていたんですね。

 

 

クリスマスになり、私はその店に何回か一緒に遊びにいった友人を連れていきました。

友人も指名していたホステスがいたので、

自然と桜ちゃんを指名したわけなのですが、

そこで「もうこの娘は止めよう」と思ったんですね。

 

まずは店に行く前に、桜ちゃんに電話をしたのですが繋がらない。

着いた時に聞いてみると、

「あ~、前の携帯無くしちゃってね。誰の番号か分からなかった」

とのこと。

 

更にいつも通り酔っ払った彼女は、

私達に許可も取らずにシャンパンを頼みだす始末。

 

まあ、酔っ払っているし、いつもこんな感じだからいっかと思っていたら、

友人に着いているホステスが

「ごめんなさい、あの娘いつもああなんです・・・」

と謝ってきました。

 

「知ってるよ。でもいつかアレ、クレーム来るよ?」

と言ったら、

「実は結構あって・・・」

と言われました。

 

そういえば、私はウイスキーが好きなのですが、

「焼酎だったら一緒に飲めるよ!」

とのことだったので、焼酎のボトルを頼んだのに、

あれこれ理由を付けて結局飲まなかったことがあったな~と、

思い出しました。

 

それからシャンパンが来て、それを飲み干した彼女は、

さっさと別の席に移動していきました。

 

これで、この娘はダメだなと判断した私は、指名することを止めました。

 

先ほどの男性はきっと、そんな桜ちゃんにやられてしまい、

引き返せないところまで行ってしまったのでしょう。

 

繁華街ではないからと私も油断したようです。

普段だったら、もっと私も警戒していたでしょうが、

スナック系はすんなり事が運ぶことが多いので、そのノリでやってしまいました。

 

腐ってもホステスということでしょうか・・・。

自分のペースに乗せていたと思ったら、相手のペースだったということもあります。

 

うまく行っている時程、注意が必要だと改めて感じた時間でした。

 

 

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