こんな偉そうなブログを運営しているが、

私はもともと口下手であり、女性が苦手なのである。

今でも前から綺麗な女性が歩いてくると恥ずかしくなる。

だが、私はシャイであると同時に綺麗な女性が好きなのだ。

だからキャバクラは非常に魅力的な場所だった。

勿論、自分からそんなところに行く勇気はない。

行ってみたいな~くらいしか思わなかった。

ある日、会社の上司が「キャバクラ行くぞ!」と

半ば強引に連れて行かれた。

嬉しかった反面、億劫でもあった。

「どうせ自分は話せないんだし、つまらないに決まっている」と。

その予想は見事に的中した。

私は下を向いて、相槌を打つだけだった。

「早く帰りたい・・・。」

それだけ考えていた。

かなり苦いキャバクラデビューである。

暫くして私は仕事で営業をするようにもなった。

女性が苦手とは言っていられない。

そこで、そういうところが好きな先輩にお供させて貰うことにした。

店に着いてから、私はその先輩をジッと観察した。

そして仕草を真似し、なんとかその場を乗り切った。

少しコツを掴んだような気がしたのだ。

するとその先輩が社内で

「コイツとキャバクラ行って、めっちゃ盛り上がった!」

と言い触らされた。

私は社内でキャバクラ好きのレッテルを貼られた。

勘弁してくれよ・・・と思っていたが、

何が転機になるか分かったものじゃない。

社長の耳にそれが入り、

「お前、キャバクラ好きなんだってな!今度連れて行ってやる!」

と高い店に月1で連れて行って貰えるようになった。

とは言え、最初はやはり緊張して話すことなんか出来ない。

ましてや隣に社長もいるのだ。

もうこりゃ慣れないなと思い、適当に返事をするようになった。

今まで「仕事は?」とか「年齢は?」と聞かれたら

全てバカ正直に答えていた。

だが、話下手である私は、そこから会話を膨らませることが出来ず、

その都度、会話が止まるのだ。

ある時、私に新人が着いた。

とても緊張しているのが見て取れる。

何故なら私は自分に嫌気がさして、ぶっきらぼうな顔をしていたのだ。

「は・・・はじめまして!○○です!」

と慣れない様子で隣についた。

カチコチな新人が聞くことは勿論、『年齢』と『仕事』である。

私は面倒くさくなり、真顔で

「還暦の一歩手前」

と答えた。

「え・・・?え・・・?」

当然困っている。

真顔過ぎてツッコんでいいのか分からないのだ。

「いえいえ、お若いでしょう?」

相手は真面目に返してきた。

私は負けずと

「いや、もうふくらはぎがプルップル震えててな・・・。」

と遠い目をしてみた。

当然、真顔である。

「え~!触っていいですか?」

「腰から上ならな」

「ふくらはぎ触れないじゃないですか!」

だんだんリラックスしてきたようだ。

だがこの時もまだ面倒臭いという気持ちは抜け切らない。

「お仕事何されているんですか?」

「刺身にタンポポを乗せる仕事」

完全に2ちゃんの見過ぎである。

だが、当然ホステスはそんなことを知らない。

「え~!?何それ~っ!!」

「ばかやろうっ!角度を間違えるとメチャクチャ怒られるんだぞ!」

ここで初めて感情を出した。

まだまだ真顔のままである。

ホステスは爆笑していた。

緊張がほぐれたのだろう。

暫く普通に話をし、突然

「この店、綺麗な娘多いですよね?お気に入りの娘はいましたか?」

と聞かれたので、即座に指を指した。

・・・熊のような、デカいボーイに。

「ええっ!男の人じゃないですか!?」

「ああいう、たくましいのがいいね。」

まだまだ真顔である。

ホステスは涙を流しながら笑っていた。

私は終始ボケきったのである。

そのホステスが呼ばれ、席を離れる時に

「凄く楽しかったです!ありがとうございました!」

と満面の笑みで挨拶をされた。

これでいいのか!

私はその瞬間に何かを掴み取った。

後は波に乗るだけである。

相手からのレスポンスがあれば、当然自分も楽しい。

これで私はキャバクラに行くのが好きになったのだ。

コツを掴めば、どこでも対応できる。

一緒にいると面白いと言われ、

ホステスの休日にラーメンだけ食べに誘われたこともある。

勿論、その時も体に触れやしないし、口説いたりもしない。

普通はそれが日常茶飯事であるから、

向こうも半分驚いているだろう。

ますます、この嬢からのメールが増えた。

因みにこの店には1回しか行っていない。

それでもここまで行くことはできる。

単にメールのやりとりをしているだけだ。

その時にホステスもやっぱり人間なんだな、と実感した。

「この人は何か違う!」

と思わせれば、向こうから営業ではない連絡だって普通に来る。

そのポイントは『何もしないこと』

その点を次回から解説していこうと思う。

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