当たり前なのだが、
キャバクラは擬似恋愛を楽しむところだ。
そこから一線を越えれるかどうかが楽しみになってくる。
だが、その当たり前を理解していない人が多い。
まんまとキャバ嬢の擬似恋愛に負けているのだ。
彼女達は表情豊かに褒めてくれ、
近付き、時にボディタッチもしてくる。
それを『気に入られている!』と勘違いする人がいる。
そんなわけはない。
それが彼女達の仕事なのだ。
それに気付かずに口説くと当然、玉砕する。
「向こうは好意でやっているわけではない」
それを頭から忘れずに行動して欲しい。
私が口説けるのも、一向に私が作戦に引っ掛からないからだ。
彼女達は必死で、自分に惚れさせ、金を落とさせようとする。
だが私は知らん顔。
かと言って冷たく接するわけではない。
笑わせたり、話を聞いたりしている。
だが、ホステスが腕を掴んできても、
腿に手を置いても私は微動だにしない。
普通なら手を握り返したいところだろう。
お腹を触られたら、触り返したくなるはずだ。
だが私はそれをやらない。
「そろそろお時間ですが・・・。」
とボーイに告げられ、
「帰っちゃうの~?もう少しいようよ~」
と甘えられても、
「ゴメンね~、また来るよ~」と
すぐに立ち上がり、その場を後にする。
その後、メールが来ても丁寧に返事はするが、
なかなか行かない。
店内でホステスが呼ばれ、
「ねぇ、ここにいてもいい?」
と場内指名を求めてきても、応じない。
どんなに仲良くなっても、初回は絶対応じないようにしているのだ。
これはある程度、指名がついて自信があるホステスほど効果的だ。
私は惚れた振りもするので、
相手は完全に“落ちた”と思っていることだろう。
しかし、それをあっさり裏切るので、
向こうも意地になってくる時がある。
常に自分が主導権を握るようにしているのだ。
だが、表面上は負けた振りをしている。
3、4回フリーで入ると、余程大きい店でもない限り、
2回はその娘が付く。
その都度、向こうのアピールがあからさまになっていくのが面白い。
私みたいに金を持っていない客なのに、だ。
私は見た目でいうと、大人しそうでウブに見える。
どうみても落としやすそうなのだ。
その雰囲気も出ている。なのに落ちない。
それでしびれを切らし、向こうからアフターに誘ってきたこともある。
指名を入れることを条件に出されたら断る。
「ゴメン、そこまで持ち合わせないんだ~」
とはぐらかしながら。
すると当然、
「じゃあ、アフター行かない!」
と言ってくるだろう。
「残念だけど、しょうがないね」
と本当に残念そうに言う。
向こうは完全にイライラしている。
ここまで来ると、向こうからストレートなメールが来る。
「次は指名してよ!」と。
「そうだね~」とまたはぐらかす。
そして暫くお店に行かない。
向こうが忘れかけた頃、1回指名をしに行く。
これで完全に落ちたと思っているだろう。
だが、距離感は以前のまま保つ。
あくまで『約束したから』というスタンスを貫くのだ。
そしてワンセットで帰る。
アフターも誘わないし、延長もしない。
「ダメだ、この人」
と思われたところで、誘いにかけるのだ。
その時も「嫌ならいいよ」とサラッとした態度が良い。
このように押されたら引く、引かれたら押すを繰り返す。
すると仲が自然と良くなり、遊びに誘いやすくなる。
アフターでもガッツいてはいけない。
「あ、もうこういう人なんだ」
と思われたところで、ある日突然強引に誘う。
何事も向こうの思い通りに動いてはいけない。
「こうしたい!」と思うことと逆のことをするのが成功する秘訣である。