どうも、こんばんは。

芦屋です。

 

先日、知り合いの飲食店に行ってきたところ、

タイミングよく後輩のTくんが店から出てきました。

 

私は、

「おぉ!お疲れ~!」

と言いながら店に入ろうとするとTくんに、

「ちょ・・・!芦屋さん待って!」

と言って手を引っ張られました。

 

「なんだよ?」

と言ったら、

「俺、この娘と付き合ってるんです!」

と謎の報告。

 

いや、別に君が誰と付き合おうと関係ないからと思い、

「ああ、そう。おめでと~。」

と言い、再び中に入ろうとしたら、

「ちょ・・・!芦屋さんっ!!」

とまたまた止められました。

 

「なにっ!?」

半分イライラして振り向いたら、

何と、私とTくんが何回か一緒に行ったキャバクラのキャストがいるじゃないですか。

 

「えっと・・・その・・・。芦屋さんのお陰です・・・ゴニョゴニョ。」

最後の方は声が小さくて聞き取りづらかったのですが、

そんなようなことを言っていました。

 

俺はそのキャバ嬢の方を向いて、

「この子、よろしくね。」

と言ったら、

「はい・・・。」

と、はにかみながら笑っていました。

 

Tくんはまだ何かゴニョゴニョ言っていますが無視。

 

「また遊びにいこうな。」

とTくんに言ったら、

「はいっ!」

と言って帰っていきました。

 

その後、ようやく落ち着いて店に入って大将に聞いてみると、

最初は合わなさそうで心配したが、

彼女の方が面倒見てくれてるので、

なんだかんだ仲良くやっているとのこと。

 

しかも彼女の方がベタ惚れなんだとか・・・。

 

「へぇ・・・。最初はTくんの方がカワイイ、カワイイってうるさかったんですけどね。」

ウイスキーを煽りながら言うと大将は、

「お前が『釣れるまでほっとけ』と言ったのがよかったんだとさ。」

と魚をさばきながら答えました。

 

まあ彼は性格もいいし、話もできるから、

そう遠くない未来に上手くいくと思っていました。

 

ところが「今すぐにでも彼女に告るっ!」くらいの勢いだったので、

「まあまあちょっと待て」と宥めることにしました。

 

彼の欠点はすぐに暴走することです。

 

気に入ったら日も開けずに会おうとするし、

いくらでも突っ込んで、前のめりになって話をしだすので、

そこを止める役割に徹してきました。

 

「芦屋さんっ!俺・・・!」

とせっつく度に、

「いいから待てっ!」

と言ってきました。

 

彼の方がだんだんイライラしてきて、

「今がチャンスかも知れないんですよっ!」

と言ってきたので、

「落ち着け。お前の方から言い出したらただの良いカモだろうが。

もっと余裕を持て。他に女はいくらでもいるくらいの姿勢でいろ。

『誰にも取られたくない』と思ったら彼女の方から動くから。」

と説得しましたが、全然納得する様子はありません。

 

なので、

「じゃあ好きにしな。失敗しても俺は知らんから。」

と言うと、しぶしぶ承知しました。

 

仕方ないので彼をその店に連れて行った時に、

少しばかり芝居をうつことにしました。

 

Tくんは当然、彼女にがっつくわけです。

そして話がピークになりそうなのを見計らって、

「よし、次行くぞ!」

とTくんを立ち上がらせました。

 

俺はTくんのお気に入りに向かって、

「ごめんね、こいつモテるから次の店行かなきゃ。1時間後に電話してあげて!」

と言って無理やり外に連れ出しました。

 

「ちょ、芦屋さん・・・。ありゃないっすよ。せっかく良いところだったのに・・・」

と言われたので、

「どこがだよ、あのまま続けててもダラダラするだけだろうが。」

と言い、近場の安居酒屋へ入りました。

 

Tくんはずっと私にぶつぶつ文句を言っていますが、

まともに聞いちゃいません。

ボトルで入れた芋焼酎をダラダラ飲んでいました。

 

1時間後、予定通り彼女から電話がありました。

今いる店の場所を伝え、私は1万円札を置いて先に帰りました。

 

 

その日から3週間経っての出来事でした。

 

「まあ、上手く続きゃいいんですけどね。」

空になったボトルを逆さに振りながら言うと大将は、

「幸せな時に幸せを噛みしめるのが一番だろ。」

と作業する手を休めずに味わい深いことを言いました。

 

 

まあそんなこんなで身近でカップルが成立しました。

 

何だか危うかったので心配はしたんですけどね。

なんとか上手くいったようで、

今では頻繁に彼女がご飯を作りに彼の家に行っているようです。

 

 

しかし問題だったのが彼が暴走しやすかったということ。

 

確かに惚れてしまうと、

どうしてもその気持ちを伝えきれずにはいられません。

 

特にキャバクラともなれば、

そういうことを言いやすい環境ですからね。

 

酔いと勢いとムードに任せて、

すぐに口説きだす人が多いわけです。

 

実はこれがマイナス要素だったりします。

 

勿論、何も示さなければ何も伝わらないので、

そこからお互いの関係に進展はありません。

 

ところが皆すぐに必要以上のことを伝えようとするんですね。

 

ちょっと匂わすだけがちょうどいいんです。

 

向こうだって

「あ、この人、私に興味ないんだな。」

と思ったらすぐに引きますから。

 

かと言って惚れてるのがバレてしまったら、

それはそれで向こうの思う壺です。

小さい餌をまくだけで飛びついてしまいますからね。

 

なので、

『私に惚れているはずなのに確証がない。

しかも、もしかしたら他の娘に取られてしまうかも知れない・・・。』

と思わせることによって、向こうの感情も動くわけです。

 

当然、最初は自分の客にしようとするだけです。

しかし引くも押すも中途半端な場所でいられると、

強引に取りにくるものです。

 

前から何度も言っていますが、

自分から告白しにいってはダメです。

 

よっぽど向こうが惚れていない限り、それでは成功しません。

 

キャバ嬢が相手の場合、

口説きなれているので、こちらから言い出すのは逆効果です。

 

ここで必要なのは、以前お薦めした書籍、

『影響力の武器』を読んでくれた人はご存知ですが、

コミットメントを取らせることです。

 

即ち、本心であろうがなかろうが、

向こうから好意的な言葉を言わせることです。

 

それを言っているうちに、それが現実に近づいてきますから。

 

キャバ嬢はそれを言いやすい環境にあります。

何故なら客が離れそうな時、一番効果的なのが、

そういう好意を表した言葉だからです。

 

嘘でも一度や二度は言えます。

しかし本当に嫌なのであれば4回も5回も言えません。

 

それ以上の回数を重ねると、

自然とそっちに心が傾いていくんですね。

 

それは心理学で立証されています。

 

だから私はあえてTくんを、

『別のキャバ嬢に取られるかも知れない』

という環境に置いたのです。

 

キャバ嬢は面白いもので、

一般女性に対してはそんなに敵意を表しませんが、

相手が同業だと知ると烈火の如く怒り出すんです。

 

見てみるとよく分かって面白いのですが、

特に感情が動く瞬間じゃないですかね。

 

だから『彼女がいる』と言っても「ふーん」で終わりますが、

『ちょっと別の店に俺を好きって言う娘がいてアフターをせがまれているからお会計して。』

とケータイを開きながら言うと、すごい怖い顔しますよ(笑)

 

されなければ嫌われているってことです。

最初から別の娘でやり直した方がいいですね。

 

結構揺さぶる時は私もこれを使っています。

 

楽しませて、笑わせて、指名して、

「ああ、この人私のこと好きなんだな~」と

思わせたところで大逆転!みたいな。

 

これが一番分かりやすく効果が出やすい手法ですね。

 

絶対に冷やかし以外で口説いちゃだめですよ。

その瞬間にたちまち失敗しますから。

 

キャバ嬢との勝負は常に駆け引きです。

最初に好きと言った方の負けなのです。