キャバクラはホステスと客のシーソーゲームである。
お互いに上手く利用しようと考えているので、
これに負けてしまうと、ずっと下に見られてしまう。
ホステスの知り合いが1人でもいれば、
その実態をよく聞くことが出来るが、
客にメールをする際、必ず言うことがある。
「この人は私が言えばすぐ来るよ」
そんなことを言いながらカタカタ携帯を打っているのだ。
そして釣った客に笑顔で
「来てくれたんだぁ。嬉しい~♪」
と心にも無いことを言う。
裏では『楽勝だな』と笑っているのに。
相手に主導権を握られたら終わりだ。
親しくなっていないうちから即座にメールを返してはダメだし、
『来て』と言われたから行くなど、もってのほかだ。
相手に読まれないように通い、悟られないように接待を受ける。
毎日「アフターしよう」「デートしよう」と言うものなら
只のウザイ客である。
落とすどころかアフターすらして貰えない。
スマートに臨み、
威張り散らさない、セクハラしない、口説かない。
相手に良い印象を与えなければ何も始まらないのだ。
特にいきなり口説かれると、
「あ、こいつは客になるな」
と思うツボである。
会話を楽しみにきた、というスタンスが丁度いい。
悩みを聞かされるようになったら、
ようやく一歩前進だ。
だが、金の話には絶対に乗ってはならない。
不幸話も相手の戦略だ。
常に頭を働かせ、主導権を握らせてはならない。
焦らずこのシーソーゲームを楽しむのだ。